月経が始まる数日前になると、「イライラする」、「気分が落ち込んでしまう」、「頭痛」、「腰痛」、「肩こり」、「むくみ」、「乳房の張りや痛み」など、さまざまな身体的、精神的症状が女性の約80%に出ると言われています。対人関係や日常生活に支障が生じる場合もあります。
排卵から月経開始までの時期は、ホルモンのバランスが崩れて起きるのではないかと考えられており、症状は人によって実にさまざまです。
◯漢方専門医が処方する漢方薬
PMS(月経前症候群)のような多彩な症状には、漢方薬は有効です。大昔から、PMS(月経前症候群)は存在し、多くの女性を悩ませてきたようです。
漢方では、PMS(月経前症候群)は、気・血・水のすべてのバランスが乱れている状態と考えます。気の異常「気滞」「気逆」、血の異常「お血(おけつ)」、水の異常「水毒」などが複合的に起こって、身体的症状や精神的症状を起こしている状態です。
漢方では、望診(顔色、皮膚、舌などの観察)、聞診(音声、呼吸音など)、切診(腹診、肌診、触診など)、問診(病歴、自覚症状聴取)を行い、気・血・水のどこに問題があるかを考慮し、処方する漢方薬を選びます。
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
・加味逍遥散(かみしょうようさん)
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
・抑肝散(よくかんさん)
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
・五苓散(ごれいさん)
漢方薬は一剤でいくつもの症状に効くことがあるため、PMS(月経前症候群)のような多彩な症状には特に有効です。当院には漢方の専門医と漢方に詳しい看護師がおりますので、悩んでいる症状がございましたらお気軽にご相談ください。
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